そもそもエンジンブレーキってなに?使うタイミングっていつだろう?
エンジンブレーキという名前は聞いたことがある、教習所で何となく覚えたけどイマイチわからないという方も多いかと思います。ペーパー講習では初めに基礎的な車の性能についても少し説明しております。その際にエンジンブレーキの事をさっと説明できる方は1割程です。。普段の道では使わない、又は使わなくても困らなかった。等の理由で使い方を忘れてしまったという方の為に基本的なエンジンブレーキの説明をしたいと思います。
エンジンブレーキとは
車両のエンジンを利用して減速する方法です。マニュアルトランスミッション(MT)車、オートマチックトランスミッション(AT)車、の両方で使用されますが、車の種類にもよりますがMT車のブレーキ効果の方が大きくなります。
👇以下の画像はAT車のシフトレバーですが、Dの下の2つ「S」・「B」の部分がエンジンブレーキを使用する際のレンジとなります。メーカーにより表示の違いはありますが基本的にはDの下や横にあります。※数字になっている、一つのみの車種もあります。
2つある場合は「S」よりも下にある「B」の方がより効果が大きいです。
エンジンブレーキを使うタイミング
・長い下り坂
下り坂ではエンジンブレーキを利用することで、ブレーキパッドの過熱を防ぎ、制動力を保持できます。ギアを下げてエンジン回転数を高めることで、車両の速度を適切にコントロールします。
・カーブの進入時
カーブに入る前にエンジンブレーキを使用して速度を落とすと、より安定したハンドリングが可能になります。カーブに入ってからブレーキをかけるよりも、スムーズに曲がることができます。
・急な減速が必要な場合
車両のスピードを急に落とさなければならない場合や、他の車両に接近しているときには、エンジンブレーキを利用すると効果的です。これにより、通常のブレーキよりもより安定した減速が可能です。
エンジンブレーキのメリット
・ブレーキパッドの劣化を抑える
ブレーキを使用せずに減速するため、ブレーキの摩耗を減らし、ブレーキパッドの寿命を延ばします。
・安定性の向上
エンジンブレーキを活用すると、減速時の車両の安定性が向上します。特に、カーブや下り坂での減速に効果的です。
山道はエンジンブレーキを活用しましょう
山道(急な坂道や連続する坂道)を下る際、長い時間下り坂を走っている場合ほっとくとドンドン速度が上がってしまいます。山道はカーブも多く、大半が九十九折となっております。シフトレバーをD(ドライブ)のまま走行してしまうと減速の為ブレーキを踏み続けてしまう可能性があります。ブレーキを踏み続けることによりフェード現象やベーパーロック現象が起こり、ブレーキが効かなくなることがあり、大変危険です。フェード現象が発生すると、ブレーキの効きが悪くなるため、車両の制動距離が延びたり、ブレーキが完全に機能しなくなる場合があります。
突然ブレーキが効かなくなることがある!!嘘のようで本当の話
みなさんは車を運転している時、ブレーキのない車があったらその車を運転しますか?
ほぼ100%の方は『No!』というはずです。ブレーキがなければ止まる、曲がるなどの動作で危険を伴います。むしろブレーキがあるから運転しようと思えるはずです。
そんな大事なブレーキが効かなくなってしまうことが実際にありますのでご紹介します。
・フェード現象
フェード現象は、ブレーキを長時間または強い力で連続して使用した際に、ブレーキの摩擦材(ブレーキパッドやブレーキシュー)が加熱されて性能が低下することを指します。これにより、ブレーキが効きにくくなり、安全に影響を及ぼす可能性があります。
・ベーパーロック現象
ブレーキフルードが高温になることで気化し、ブレーキの効きが失われる現象です。
フェード現象がおこる原因
・過剰な熱
ブレーキを長時間使用すると、摩擦によってブレーキパッドとディスク(またはドラム)が加熱されます。熱が過剰に溜まると、ブレーキ材の特性が変わり、摩擦力が低下します。
・ブレーキ材の劣化
ブレーキパッドやブレーキシューが劣化している場合、さらにフェードを引き起こすリスクが高まります。古いブレーキ材は高温に耐えられないことがあります。
ベーパーロック現象がおこる原因
・過剰な熱
長時間のブレーキングや急勾配の下り坂を走行した際にブレーキが過熱し、ブレーキフルードが気化することが。
・ブレーキシステムの設計
不適切なブレーキ材料やシステム設計により、熱管理が不足している場合に発生します。
避けるための対策
・ブレーキの点検とメンテナンス
定期的にブレーキパッドやディスク、ブレーキフルードの状態をチェックし、磨耗や劣化があれば交換することが重要です。
・エンジンブレーキを使用
長時間のブレーキ使用を避けるため、エンジンブレーキを活用することでフェード現象やベーパーロック現象を防げます。
・ブレーキの冷却
ブレーキが過熱しないように、適切なインターバルを設けてブレーキを使用することも重要です。
エンジンブレーキをする際の注意ポイント💡
・ブレーキランプが点灯しない
エンジンブレーキを使用して減速する場合、ブレーキペダルは踏まれないのでブレーキランプは点灯しません。後続車に減速を伝えるためにもブレーキとエンジンブレーキを併用しランプを点灯させて、後続車に減速の意図を伝えることが事故を防ぐことにもつながります。
・長時間のエンジンブレーキ使用
エンジンブレーキを長時間使用しすぎると、エンジン温度が上昇し、オーバーヒートの原因になることがあります。特に急な坂を下る際には、適度にブレーキを併用することが必要です。
・カーブでの使用
カーブに入る前に速度を落とすためにエンジンブレーキを使う場合、エンジンブレーキだけで減速せず適切にフットブレーキの併用も行い、安定したハンドリングを保つことが重要です。
・車両の種類による違い
車両によってエンジンブレーキの効き方や特性が異なるため、自分の車両に合った操作方法を理解し、事前に運転感覚をつかんでおくことが大切です。
★まとめ
エンジンブレーキは、効果的に減速できる手法であり、運転の安全性を高めるために必要な機能です。フットブレーキとエンジンブレーキの正しい使い方を理解し、より安全なドライブを目指しましょう。
仏の大嶋でした。。
参考記事:フットブレーキ多様による事故 「朝日新聞」
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